巻物語

意外な歴史や知られざるミステリー、昔話など、各地で語り継がれる物語を発掘

2016.07.11

石巻人の誇り、川開き祭り100年の歴史

石巻最大のお祭り、川開きが始まったのは、

今からちょうど100年前の1916年8月18日。

町の繁栄に役立てようと経済協会が中心となって

「石巻川開祭協賛会」を結成。

北上川を改修し、石巻の港を開いた

川村孫兵衛(かわむら・まごべえ)に対する報恩感謝祭として開催されました。

同時に、石巻の各地域で開催されていた

「川施餓鬼」(水死者の霊を弔う儀式)を統一した供養祭や

花火大会、流燈なども行われました。

石巻の日和山公園にある川村孫兵衛の銅像

石巻の日和山公園にある川村孫兵衛の銅像。伊達政宗の命を受け、水害に悩む石巻のために北上川の流れを変える工事を成功させ、石巻の繁栄に大きく貢献した

 

しかし、1918年には米騒動のため中止となり、日本はまもなく戦時下へ。

川開き祭りが復活したのは、実に終戦翌年の1946年。

その3年後の花火大会で、

数十年ぶりの尺玉が打ち上げられた時はどんなにうれしかったでしょう。

写真は1964年の花火

(※モノクロ写真はすべて石巻市役所所有、1964年以降のものです)

 

1950年には、行事を一般市民からなんと、賞金付きで募集。

その結果、陸上行事では仮装行列、七夕祭り、動物景品付き納涼市、山車、競輪、

芸妓手踊り、のど自慢、水上行事では、懸賞屋形船、タライ競漕、水上大山車等が開催。

その後、子供みこしも初登場となりました。

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子どもたちによる陸上パレード

 

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女の子たちのユニフォームがまぶしい鼓笛隊パレード。これは今でも人気の出し物のひとつ

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北上川で行われる水上行事も盛ん(写真は1966年のもの)

 

こども神輿

こども神輿

 

その後、川開きの行事は洗練されていき、

1970年代には現在にも続く大漁おどりや孫兵衛競漕も採用。

陸上、水上のいたるところで、常に何かが開催されている

見どころ満載のお祭りとして定着していきました。

石巻の街が栄華を極めた昭和40年代

石巻の街が栄華を極めた1970年代の七夕飾り

 

【数々の苦難を乗り越え、続けてきた街の誇り】

しかし、この100年の間には、戦争以外にも開催の危機が何度か訪れました。

1960年には、チリ地震津波で大きな被害を受けながらも開催。

1978年には、宮城県沖地震であえなく中止……。

 

そして、2011年の東日本大震災。

石巻市民はあの年の夏も、川開きを開催することを決断しました。

規模は大幅に縮小せざるをえませんでしたが、

祭りの開催が人々の心を少しでも上向きにし、

一致団結して険しい復興の道を共に歩いていけるように。

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2011年は8月1日のみ開催。県外からボランティアに来てくれた方々がたくさんいました

 

そして今、100年前の先人たちが始めた川開きは、

復興途上の石巻を強烈に照らす光となってくれています。

100年後の街を元気づける……。私たちも、そんな先人たちの思いに続きたいですね。

2015年

2015年の中学校吹奏楽部のパレード。被災を乗り越え、この日のために練習を重ねた

 

震災以降、行われなかった川開き名物の孫兵衛競漕も今年から実に5年ぶりに復活!

川開きのメイン行事のひとつ、孫兵衛船競漕。津波で格納庫が被災し、中断するも2年後には復活。今年も熱い闘いが繰り広げられる予定です

 

参考:川開き~復興への祈りを込めて

マンガで知ろう石巻史 川村孫兵衛伝

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