移住しちゃう?

石巻への移住を考える人へのヒント集

vol.5

2016.02.15

石巻でどう働く?②-武井瞳美さん(介護士)の場合

「石巻でどう働く?」の第2弾は、

2015年4月に神奈川県から移住、

新卒で老人介護福祉の世界に入った

武井瞳美さんのケースをご紹介します。

石巻の河北地区にある特別養護老人ホームで働く武井瞳美さん(24歳)

東京の大学を卒業後、石巻の河北地区にある特別養護老人ホームに就職した武井瞳美さん(25歳)

 

【震災後、ボランティアをした石巻に戻って

地元の神奈川県で大学3回生の時に震災が起き、翌年から休学。

ボランティア団体の現地駐在スタッフとして

石巻で2年間、復興支援活動に従事した武井さん。

2014年9月にはいったん実家に戻って復学したが、

大学を卒業した後は、再び石巻に戻る決意をした。

「震災後の石巻に滞在しながら、

将来はここで介護の仕事に就きたいと考えていました。

ボランティアとはいえ、

学生の自分にはなんの技術も経験もなく、

役に立てることが少なかった。

大学を出たらきちんと技術を身に着けて、

現地でもっとも必要とされる仕事で

役に立ちたいと思いました」

武井さんは復学後、神奈川の老人ホームでアルバイトを経験。

大学を卒業するまでに、

自力で「介護職員初任者研修」の資格を取得した。

石巻の河北地区にある特別養護老人ホームに就職した武井瞳美さん(24歳)

【ハローワークで引く手あまたの求人情報】

就職活動は直接、石巻のハローワークへ。

介護職で検索すると、大量の求人票が出てきた。

その中から、最も条件がいいと思われる数件をピックアップ。

いったん神奈川の実家に戻り、後日電話連絡の上、

再度石巻へ足を運んで、施設見学をした。

「その施設がよいかどうかは、

入居者の顔を見ればわかる!と思いました。

それで、気になるところをすべて見学させてもらい、

一番雰囲気がよく、入居者の笑顔も多かった現在の施設を希望。

即、正社員で採用してもらえました」

苦労したのは家探しのほう。

武井さんが移住の準備をした2014年の春時点では、

被災後の住宅事情が落ち着かず、

特に一人暮らし用の物件は不足していたときだった。

「電話で問い合わせても、

ほとんどの不動産屋さんから『無い』と断られました。

ようやく見つかった物件は2件だけ。

ほとんど選ぶ余地がありませんでした」

震災の影響で物件不足が続いた石巻。ただし最近は、物件が増えてきたと言われる

震災の影響で物件不足が続いた石巻。でも最近は、かなり物件が増えてきたと言われている

ロフト付きで天井が高い1DK。30ヘーベーで5万円

武井さんの部屋は天井が高い1DK。立てる高さがあり、部屋としても使えるロフト付きで30ヘーベー、家賃5万円

 

【なりたい自分に一歩、近づいた】

「きつい、汚い、給料が安い…と

マイナスイメージで語られることが多い介護職。

でも私の場合は、

神奈川でアルバイトをした老人ホームでも、今の職場でも、

先輩スタッフが自分の仕事に誇りを持って働く姿がとても印象的でした。

この仕事を選んで喜んでやっている!という雰囲気があって、

愚痴をこぼしながらやっている人がいなかった。

介護は素敵な仕事、やりがいがある!という雰囲気があるからこそ、

私も楽しく働けているんだと思います」

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早番、遅番、準夜勤、夜勤と細かく区切られたシフトで働く。申し送りや連絡事項など、スタッフ同士のコミュニケーションも重要

 

幼い頃、武井さんの祖父も老人ホームに入っていた。

自宅で介護ができれば理想的だが、

幼い子どもがいるなど、家庭によってできない事情はさまざまある。

そんな状況を見ていて、

「介護は誰かがやらなければいけない必要な仕事」という考えが

子どもの頃から根付いていた。

「だから今は、自分の番が来た!という感じ。

『高齢者に優しくできる人』というのが昔からの憧れで、

介護を喜んでできている今の自分は、

一歩、夢に近づけたかなと思います。

石巻に移住して介護職に就けば、

納税もできて一石二鳥。

学生の時のボランティアではできないと感じたことも、

今は少し、お役に立てているかなと思います」

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認知症の高齢者も多いが、歌が好き、歩くのが好きなど、それぞれの個性に合ったケアをプランするのが楽しいと武井さん

 

【資格取得のサポートも充実

厚労省が発表した全国の介護職員充足率では、

69%と最下位だった宮城県。

介護が必要な高齢者の数に対し、

確保できる介護職の人員が少なく、

特に震災後、深刻化が進んだと言われている。

その分、介護職を志す人には無資格でも正社員雇用し、

給与を支給しながら資格取得をサポート、

研修などの機会も多く準備するなど

バックアップ体制を整えている職場は多い。

武井さんが勤める特別養護老人ホーム『仁風園』でも介護職の資格取得をサポートしている

武井さんが勤める特別養護老人ホーム『仁風園』でも介護職の資格取得をバックアップ。「勤務時間中に研修などに行かせてもらえて、とても恵まれています」と武井さん

 

育児や家事で忙しい女性女にも、働きやすい環境づくりに力を入れている

『仁風園』の掲示板に貼りだされた記事。育児や家事で忙しい女性にも、働きやすい環境づくりに力を入れている

石巻、河北地区のゆったりとした環境は、入居者だけでなく職員の働きやすさにもつながっている

石巻、河北地区のゆったりとした環境は、入居者だけでなく職員の働きやすさにもつながっている

 

さらに石巻では、

全国に先駆けて『地域包括ケアシステム』を推進している。

これは医療、介護、福祉などが連携し、

地域全体で高齢者の生活や被災者の自立を支えていこうとするもの。

東日本大震災における最大規模の被災地・石巻だからこそ、

市民全体を巻き込んだ大きな視点での新しいケアシステムが必要とされ、

その形は近い将来、日本全体のさまざまな問題を解決する

糸口になると期待される。

武井さんが働く施設でも、

震災後は独自に、近隣に広がる仮設住宅の住民たちとの交流を続けてきた。

ひとつの施設にとどまらず、

広い視点での住民ケア、社会全体を見る目が養われるのも、

今の石巻で介護職として働くメリットかもしれない。

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「最期までその人らしく過ごせるためのお手伝いにやりがいを感じる」と武井さん。石巻で最も必要とされる現場のひとつに立っていることも嬉しいと話した

 

<お仕事探し参考サイト>

宮城県老人福祉施設協議会

宮城県内(仙台市以外)209個の事業所情報を網羅。希望する地区の施設を探したり、詳細については問合せも可能。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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