移住しちゃう?

石巻への移住を考える人へのヒント集

2016.12.09

移住してどう働く?③斎藤祐一さん(フリーWebデザイナー)の場合

今回は実例『石巻でどう働く?』シリーズ、第3弾をお送りします。

石巻のお隣り、気仙沼市出身の斎藤祐一さん(39歳)。

高校卒業後に上京し、約18年間は契約社員やフリーのエンジニアとして、

Webデザインや「フラッシュ」と呼ばれるアニメーション制作などの仕事をしてきました。

そんな斎藤さんが突如、2016年2月に石巻へ移住。

その心境と移住後の暮らしについてうかがいました。

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【震災を忘れ行く東京に違和感を覚えて】

実は、石巻に移住する以前、2013年にも一度東京を離れ、

気仙沼の実家に戻った経験がある斎藤さん。

震災後、東京の雰囲気が平常に戻っていけばいくほど、

地元の様子が気になり、移住を決意。

しかし、気仙沼でフリーのWEBデザイナーとして生活するのは

難しいと感じた。

「東京ではゲームやアニメーションは急成長の分野だったので、

僕のスキルは重宝がられ、次から次へと仕事が入ってきました。

だけど気仙沼では、まったく仕事がこない。

来たとしてもブログの更新やネットショップの写真掲載など

初歩的なこまごまとしたものばかり。

これはちょっと立ち行かないな、と考え、いったん東京へ戻りました」

地方では、いくら高い専門技術を持っていても、それだけではダメ。

営業力や企画力、コミュニケーション能力など、

より多くのことが求められることも実感したと話す。

東京では、アニメーションや携帯電話のアプリなどを制作

斎藤さんが作った携帯アプリの画像。他にもアニメーションを動かしたり、WEBデザインなどの技術があり、東京では仕事に困ることがなかった

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【仕事さえなんとかなれば宮城県で暮らしたい】

「それでもやっぱり、5年後、10年後も

忙しい東京で暮らしていくのかと思うちょっと……。

東京の生活はもう十分知った、満喫した、という思いもあって、

仕事さえなんとかなれば、宮城で暮らしたいという思いが残りました」

そんなとき、東京で開催された東北支援のイベントで、

神奈川県から石巻に移住した同世代の男性と知り合った斎藤さん。

彼が関東に帰ってくるたび会って石巻の様子を聞いていると、

現地でのIT関係の仕事を紹介してもらえることになった。

「今までは縁がありませんでしたが、

石巻なら気仙沼にも気軽に行けるし、

仙台が近いからその分、仕事は多いかもしれない。

なにより、知らない土地でも既に知り合いがいるというのは心強いと思いました」

斎藤さんはさっそくインターネットで現地の賃貸物件を検索。

不動産会社に電話をして条件にあてはまる部屋をいくつか見繕ってもらい、

初めて石巻を訪れたその日に、下見をして気に入った物件を契約することができた。

 

【せっかく東京を離れるなら、広い部屋に住もう】

駅に近くて2DK、駐車場代込みの家賃5万3000円。

東京では、この半分の広さのワンルームに8万円を払っていたとか。

現在はノートパソコンを持ち歩き、自宅やカフェ、仕事をもらう会社、

フリースペースなどで自由に仕事をしている。

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「せっかく東京を離れるなら広い家に住みたかった」と斎藤さん。ひとり暮らしに十分の2DK

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こちらは斎藤さんが登録している自宅でできる仕事を専門に扱う派遣会社のオフィス。登録者が使えるフリースペースがある

 

派遣会社の打ち合わせスペースも自由に利用できる

派遣会社の打ち合わせスペースも自由に利用できる

 

移住して10カ月。

まだ手探りながら、仕事に関しても徐々に手ごたえを感じ始めた。

「いろんな会社に顔を出したり、仙台でIT業界の集まりに出席するうち、

声を掛けてもらえるようになってきました。

家でひとり、パソコンの前で作業しているだけではダメ。

周りとのコミュニケーションや自分の存在をアピールすることが大事だと思います。

また、自分にどんな技術があって、何ができるのかを明確にすることも必要。

出来上がった環境の中で働いていた東京時代よりも、

ハードルが高いと感じることはありますが、週末には地元の気仙沼に帰ったり、

のんびりとした時間の中で暮らせるのが気に入ってます」

今後は、IT関連のこまごまとした地元のニーズに応えるとともに、

ゲームやアニメーション制作など仙台の企業から

プロジェクト単位でもらえる仕事などもバランスよくこなしていけたら、と目標を語った。

 

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